『技を育む』のメモ

技を育む(神田橋條治

 


・現在がいかなるかにおいて、過去の「語り」が異なってくる。そのニュアンスが

 


・「いまでは、、技は真心の裏打ちがあるときに力を発揮する、ことを知っていますが、この常識的な気づきに到達するのに長い年月を要しました」

 


・猫が子猫にする指導法は、言葉を使わないで、「やってみせるさせてみる」やり方だ。

 

 

 

・苦手不得意なものへの三つの対処の仕方

①苦手な場所を避ける

②苦手なものを猛練習で乗り越える

③優れて資質を持ってさて苦手をカバーする

 


・甘えを含む悪戯

 


・知や技の探求でも、円や循環のイメージが得られると到達感があるとのこと

 

 

 

・病む生体の、ある一点を動かせば、後は生体の治癒力が働きだす。

 


・未来予測については、次回来談時までの経過をちょっも書いておくことが技修練の根幹

 


・観察領域を「生理・行動」「気分・情動」「言語」の三つ領域に分けて調和してるか、ちぐはぐかを観察する。

さらにプラスして、相手がこちらに対する心的距離の取り方を「くっ付く」「離れる」「捻くれる」の三つで判断すると秒速で概略が,掴める。

 


・全身から息を吸い、全身から声を発する。骨格全体を共鳴器にするイメージで。

 


・告白を推奨することなく、自己省察を助ける技法

 


・癒しの退行、新展開への退行

子育てのとき親は自然と退行する

 


・資質の開花を助ける学習を積み重ねることが健康な成育ですが、人生はその時々の事情において開花は果たされません。余裕ができた時に、し残されていた資質が開花し始めるのだと考えておくと、治療経過のある瞬間に「これは、新しい自己の資質と発見かも」とアイディアが湧き、対応を誤らないで済みます。

「伸びる機会を与えられなかった、◯◯スペクトラム」の想定。

 


・文字言語獲得以前のイメージ水準の退行は、癒しの効果を持つので、治療状況の中では文字言語を排した「五感領域」を体験するのが治療の効果がある

 

 

 

・同期を用いて相手の癒しの風景を探りだすと、2〜3頃の風景が多い

 


・パターン化は認識活動の効率化でありながら、硬直化である。文字言語以前の退行は、その硬直化から脱する試み。体験のリニューアル、精神療法の基底。

 


・「いま・ここ」における逆転移の開示は、治療に役立つ自己開示

 


・わたし自身の非言語コミュニケーションを相手が無意識裏に受け取ってるなら、相手の非言語コミュニケーションもわたしは無意識裏に受け取っているため、これを認識し、言葉にする。それを意識化できれば事態を的確に察知できるので。

 


・型の有用性、未来への改変可能性を秘めた基本の型を習得させることで、過去からの離脱を図る。そして型を一旦身につけた後は微調整して使ってゆく。このとき過去の型を再利用することもあるだろう

 


・コミュニケーションにおいて、最重要なのは音声。いかに癒しの効果を与えるか

 


・声を発する際、自分の声が相手の声を包むようにしたり、揺すったり揉み解したり、柔らかくなるようイメージします

 


・どの分野でも、受信機能(感受性)を鍛えたければ、情報発信を練習したするのが一番である。

 


・パデル先生のやり方は、「相手との間に箱庭の枠ような確かな雰囲気を保ちつつ、相手の発言に自分の連想を添えて、両者が絡み合い干渉し新たな視野を創出されるのを期待する」もの。この崩壊と再生の体験の中心は、「外界」概念の変革です。

 


・パデル先生がいつも注目してるのは、相手の「内部にイメージされる外界」です。すなわち外界との関わりや悩みや葛藤というのは、「イメージとしての外界」との関わりや悩みとなります。つまり全ては心のドラマ

 


相手の言葉に、自分の自由連想を添える技法は、揺さぶりの力が強い。(スーパーヴィジョンなどで活用してる)

 


・抵抗という言葉を「馴染めぬ」とし、防衛を「工夫」と言い換えることで治療者に支持的な気分を引き起こせることに気づく。

 


・専門的知識を投入するのではなく、まず相手と出会ったら「素の人」として接する。志しと個人的な知恵でやりくりして他者の悩みに対してきたことを思い出すのです。

素人ではどうも悩みに対峙できなかったから専門家が必要となる発想になる、けれどその前段階は素の人として相手と接していた。

セッション終了後には素の人として挨拶をしてお別れする

 


・このような心構えを続けてゆくと最終的に、「常に素の人間が基盤にあり、その下には生物としての自己があり、素人の層の上に専門家としての自己があり、さらにその上に自分が依拠する心理療法があり、その上に最新の知識や新技術が載っているというピラミッド構造が出来あがります」

 


・このピラミッド構造を意識することは大切です。魂のテーマに対応する治療者の能力は、「ピラミッド構造全体」が総体として発揮する。

 

 

 

・相手のフラクタル構造を見抜けない時は、まだこちらの実態把握が追いついていないのだと考えることができる

もうひとつは、フラクタル構造の破綻を見つけることで、「事態の病理性」や「治療技法の有害性」を抽出することが出来ます

 


・秘められている可能性を同定し、引き出す。そして活用する。

 


・その人が何か話したり行動したりするのを観察して、一瞬、命の閃きが見てとれる時、そこに何か可能性が露呈していると判断します。そして新しいサインがないかを観察します。

次にそれを取り上げて、話題や助言にし構築します。

(命の一瞬の閃きは、健康で好奇心を発揮してる瞬間の赤ちゃんや、玉取りしてる子猫の雰囲気を味わうのが有効)

 

 

 

・「明らかに語られていない言葉には、抵抗も反論もできず、意識化に直接浸入することは暗示となる」気づき

から言外な言い分の暗示。

「ボクも考えておくよ」は、「あなたも考えてね」という暗示的命令となりえます。

 


・もうひとつの進化は、「母を憎んでる」と聞いたとき、(人の心は相反する感情を同時に持っているのだから)「本人にとって母は強い情動の対象であり、今は愛より憎しみの方が前面に出てる」の意味で理解するのが正しいだろうという気づきです。

これはのちの治療経過で証明されます。

 

 

 

・意識化されたものは力を持たないというせ精神分析の知恵は、意識下への暗示は力を持つというエリクソンの知恵は互いに呼応する。

 

 

 

 


・新しい環境に遭遇すると、低次フィードバックシステムが呼び出され(退行し)、新たな学習を模索します。この低次のシステムの貯蔵量の豊富さと、呼び出し機能の精練度が事態を左右します。

 


自己実現を求める資質は、僅かな可能性を見出して歪な形で実現を図ろうとします。一見奇妙に見える表現をそんな「自己実現の苦し紛れの発露」であると見抜いた時の喜びは大きい

(鉢のひび割れから根を出してくる盆栽のイメージ)

 


・心身一如的な言葉を,使うことを意識すると、治療活動に深みがでてくる。逆に身体を無視した心だけの言葉は、漢字のみだったり、四字熟語です。

 


・文字文化が音声文化に仮装して身体の世界に侵入した結果が、心身症です。学を断てば憂いなし。

 


・精神療法の核は、相手の既存の体験や、認識を活用を中心にすべき

 

 

 

・相手自身が自ら行ってきた対処努力の回顧・点検をしている中で、対話を通してその作業の助言者としての図式。この図式を採用することで、告白を強要され、批判されて傷つき引きずることがなくなる。

 


・初心を大切にし、かつ前の職種での経験を活かして、みな独自の援助者になるよう助言します。

 


・揺さぶりの効果が高いと分かってなら、話しを聞きながら中途で自由に連想をどんどん話すことは教育的な効果が高い。内的活動を開示することでモデルを示す。

 

 

 

・回想自体に治癒力がある。「退行の治癒力」。

楽しくて充実していた時代を有しているなら、そこに退行することで休むことができる。もしなければ逃げ場がない。つまり内界的な居場所があるかないか。

 


・充実した時代がないと、退行は治癒にならないから、退行を選択肢さないかもしれない

 


・アルコールは脳機能を落とすことで幼児の頃の感覚を楽しんでるのかもしれない。

 


・あるうつ病、「あらかじめ失われた人生」、何度もの挫折

 

 

 

・他者同期は、フォーカシングにも使えるし、目の力の増減=意欲の増減を感覚することで、本人がそのテーマに取り組む意欲があるか、逆にそのテーマに圧っされているかを判別できる。

 

 

 

・本から得られる連想、仮説が楽しいのである。生来の資質ゆえにそれらは導き出される

 


・保冷剤を、鳩尾の前方にかざすして不快感がでるかどうか。でるなら、体内や骨が冷えている

 


・自律神経の不安定と肩こりは、頚椎の歪み・外傷をまずは疑ってみる

 

 

 

 

・人はいかにして心身ともに「健康」となるか?がわたしの今の問いかもしれない

そこに治癒がキーとなり、いかにして人を癒すか治癒するかを推し進めたい

一つは抱え、見守り

・知ること

・冷静な観察者

・未来の改変性を感覚すること

・現状を改変できた時