短期療法で問題解決をする
ステップ0
・相手の使う言語・雰囲気を利用する
【ステップ1 内部探索と収集】
①開始の質問
「今後どのようになったら、今日ここにきて良かったなぁと思えますか?」
②差異の質問
「問題がなくなったら、今と何が違いますか?」
「仮に問題が解決したら、解決したことにどのように気付きますか?」
③What's better?
「比較的、その問題が軽い時/良い時はありますか?」
→YESならその例外を拡張し、NOなら偽解決パターンにヒビを入れ新たな例外を構成する。
④尺度化の質問
・「その頃を0として、理想の状態を10とすると、今はいくつですか?」
・「1ポイント上がったら今とは何が違いますか?」
・「1ポイントの進歩は、どんな所にあったと思いますか?」
・「6のまま維持してこれたのは、どうしてだと思いますか?」
⑤奇跡の質問
「寝ている間に奇跡が起きて問題が全て解決したら、あなたは次の日の朝、どのようにそれに気付きますか?」
(ポジティブな会話をした後にこの質問をすると効果的)
【ステップ2 さらなる内部探索】
①例外行動を相手にイメージさせる質問
・「もしAをする代わりに、あなたがBをするならば、何が新しくあなたに生じると思いますか?」
・「もしあなたが相手に『微笑む』時、彼はあなたに背中を向ける代わりに向き合うでしょう。そしてあなたは相手がそうするのを見た時、どんな行動を取りますか?」
・「もしAをしたら、彼の行動に何か違いが現れるでしょうか? 」(その答えを聞いて)「なるほど、そうなると彼との関係に何か変化が起こりそうな予感がしますね」
②問題を行動の側面に結びつける
「もしもっと悲しみが減るならば、どんな”行動”をしていると思いますか?」
③リフレクシブな質問
「あなたの問題に対して、彼はどのように感じているとあなたは思いますか?」
「こんな不快なパターンをあなたが続ける理由があるとしたら、それは何ですか?」
④問題の外在化
「その問題に名前をつけてみませんか? あなたの中に問題を抱え込んでしまっているように見えるので、名前を付けて切り離してみたいです。どんな名前がよいと思いますか?」
・「その問題に名前を付けるとしたら何ですか? 今度それが襲いかかってきたら、どうしますか?」
⑤びっくりクエスチョン
「彼をびっくりさせるには、どうすればいいと思いますか?」
(これにより例外的行動の創造を促す)
【ステップ3 介入課題の提案】
──内部探索と情報収集した後、介入課題を考え、提案する。
①比較的良い状態のときを観察してもらう
・「自らの問題を観察しメモをする」
②逆説介入(相手の症状や抵抗を利用する)
・「次までに2回演技で暴れてください。そして彼に演技だと気づかれることなく上手に暴れてください」(彼側にも演技かどうか見破るよう課題をだし、次までに報告してもらう)
・忘れることに予期不安を覚えるなら「わざと忘れさせる」課題を出す。
・何をしても楽しくないならば、「これだけはやりたくない(楽しくない)ことは何ですか?」と尋ねる
・一人になる→家族と過ごさせる!
・意図的に感情を出さない→意図的に感情を出す!
(既に相手が問題への対処行動をしてるならば(偽解決パターン)、その行動の”逆”を意識したパラドキシカルな介入である)
③極端な時間制限
「次回までに少しAをして欲しいのです、どうですか? 時間は5分、それ以上はやってはいけませんよ。絶対に無理をしないようにして下さい」
(逆説的な効果を出すため、「そんなばかな?!」と思われるくらいの時間にする)
⑤物語化
「物語を作ってきて欲しいのです。テーマは『美女とタイガー』というテーマで描いてほしいのです。そしてハッピーエンドにしてあげてください」
◯介入課題を伝える前
ユーモアによって笑わせることができれば、介入課題をしてくれる可能性が高まる
◯介入課題を伝える時
①「とても難しいことを言っていると思います。工夫ができると思いますので、次回やってみてどうだったかを教えてください」
②課題のリハーサルを今ここでやると、その後もしてくれやすい
◯介入課題で改善が見られたた時
「どうして、こんなに変わったんだと思いますか?」
【理論】
・「事態がどうなったら解決したか」を知ることが肝心。
・THの役割は、相手に何か新しいことをするよう促すこと。
・小さなことをしてもらう、本当に最小限のことでよい
・介入課題をだした時点で治癒的効果がある、実行するかは問題ではない
・C Lの予期不安を把握することは重要
・相手がこれまで対処し改善してきた事への「知恵・秘訣」を尋ねることは重要です。
・介入課題がシステムに適合しないとき、治療抵抗として現れる。
・抵抗の出現を楽しむ