『精神疾患をもつ人を、病院でない所で』メモ

 

精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本』


「これは相手の主体性に繋がる行動かな?」という自問自答をする

 


「私たちがあなたをよくするんじゃありません。私たちを活用するのはあなたなんですよ」

 


パターンとして理解することで予測がしやすくなる

 


三代困りごとは「お金のやりくり」「毎日の食事」「人間関係」(職場・友人・恋愛など)

 


・セルフケア能力が上がるよう支援する

 


・自己責任が生じる経験を奪う事は何の解決にもならない。

管理するのではなく経験からの学びを積み上げるよつにし、自己責任と自己関与を生じさせるようにする、(例、薬を預かることなど)

 


過剰服薬したとしても慌てることはなく、ただただ「過剰服薬した結果がどうであったかを冷静に振り返り、どのようにすれば過剰服薬せずに過ごせただろうか?と一緒に考えていけばよい」のです。

 

 

 

本人が自分の言葉で伝えられる救助活動を、普段から行ってゆく(ヘルパーさんに電話をかけさせたら本人が電話をかけさせるように何度もしてもらう)

 


支援者は代理行動をするのではなく、自己責任・自己関与が得られる支援を目指す

 


・勇気づけのキーワードは「一緒にいる・やる」だと思う

 


・権利と責任を相手に返すということ(認めること)

 


項目

服薬管理症状管理対人関係

日常生活への援助本人主体の場合O薬が管理できない人に対して、預か管理できないのであれば、どの行動りや、代わりに病院へ取りに行く。につまずくのかを一緒にアセスメントする。

 


医療者主体の場合×例:幻聴があったら 「こういうことをしましょう」と看護師が主体となってアドバイスする。

 


傾聴しながらポイントになるところをひたすら悩みを聞く。もしくは聞かな一緒に整理する。

感情をもちながければいけないと思っている。ら、どのように生活を組み立てるのかを一緒に考える。

 


買い物、洗濯、片付け、お金の管理などを代わりにやってあげる。幻聴があった場合は、過去の対処方法を共有する。

前兆を一緒に確認し、それへの対処法を一緒に考える。本人と一緒にやれるところとやれないところを明確にし、どう行動すればい|いのかを一緒に考える。

 

 

 

・本人の主体性を取り戻す聞き方をする。(そして今を共有する  

 


「利用者が目指すのは、自分の専門家」

・良い時の状態はどんなものか、悪い時の状態はどんなのか予め自分で知っておき、言語化する

・「いい感じの自分」を保つためには、どのように生活を組み立ててゆけばいいのかリスト化する

・注意サインが現れた時は、(段階に応じて)どのやうに対処していけばいいのかリスト化する

・リスト化し可視化されることで、それが上手く行かなかった場合、修正していくことができます。(自己点検)

・そのような自分を他者に伝えておけば、自分で対処が難しくなった場合でも他の人に必要な助けを求めることが簡単になります、(他者に頼るという自立)

・このように利用者が自分の専門家になれたら訪問看護の終了を検討してゆく

 

 

 

 


①本人の「希望」は何か

・どんな生活や人生が送りたいか、最初は曖昧でもいい

・ここで語られ他者は看護計画の短期目標と長期目標に反映していく

 


②調子が悪くなるキーワード(キーパターン)は何か?

調子の波について語られる時、利用者から同じキーワードが頻繁にでてきます。その意味を明確にし共有します。

話の文脈の中で必ず行き着くキーワード・キーパターンは何か?と考えながら質問していきます。すると本人の中で調子が波打つタイミングが判ってきます。

(おそらく本人の病と生活への認識を上げるためのもの)

 


③いい感じの自分は、どんな自分?

あまり意識しない「いい感じの自分」を意識して言語化します。利用者が「いい感じの自分」とはどのような状態の自分なのか、そして「いい感じの自分」を保つために普段何気なくやっていること、役立つ工夫、自分が元気になるためにやってるありとあらゆる方法をリストにしてまとめます。

・さらに「いい感じの自分」を保つために、「毎日するといいこと」「時々するといいこと」を具体的に見つけ、これもリスト化します

 


④元気を失いそうになる注意サイン、引き金は何か?

・元気を失いそうになる引き金もパターンとしてあるはずなので、これも意識して言語化します。

・そしてその引き金が現れた時の「このように対処するとやり過ごせる」と言う対処法を決めてゆきます。

・社会で生活していれば引き金を全て避ける事は困難なので、例え引き金を引いてしまっても、早めの対処が行えるよう行動プランを立ててゆくのです

 

 

 

 

 

 

第二章

 


リストカットも「対処法の一つ」と捉えてみる

(問題行動も何かに対処するためのものと捉える事で、支援の展望が別角度から開かれる)

 

 

 

 


対応技

 


ケース1

①支援を受ける理由を受身にしない

「先生が受けなさいって言ったから」に対して「先生はなんで受けた方がいいと勧めたと思いますか?」

(これにより利用者の自分が支援を必要としているから支援を受けるんだ、という主体性が立ち上がってゆきます)

 


②一度口にした希望や目標はやり抜くべきだ、と過剰に期待しない

希望を口にしたのだから問題行動を取らずやり切るはずだ!と考えてしまうと、高確率で再びその行動を起こした時、「そんなことしたらダメだよ」「周りが悲しむよ」などの責める言い方や、叱責をしてしまうことに繋がる。

しかし支援者が利用者を叱責しても何の意味もない。

 


・自分を窮地から救う唯一の方法として機能しているのが、リストカット(問題行動)です。それを全面否定されたら、「リストカットをしてしまうダメな自分」と評価してしまい、その辛さに蓋をするためリストカットを繰り返す、悪循環になるのが見えて来ます。

 


・そして支援者の期待は「この人はやめると言ってどうせやめない」「口だけでやめる気がない」と落胆に変わってゆき、その感情が支援の対応に表れてきます。するとそれを感じとる利用者はますます「こんな自分はダメな人間なんだ」と思い込み、その気持ちに蓋をするためますますリストカットがやめられなくなります。

 

 

 

③看護計画を一緒に作成し、自己選択感・主体性を養ってもらう

・自分で選択する感覚がないと、自分の言動によって起こる出来事を引き受けることができず、人のせいにしてしまったりやる気が失われます。

報告者や看護計画を一緒に書いてゆくことは、支援を主体的に感じ取れる

 

 

 

④他の支援者を非難せず、それぞれの役割を本人に伝える

・本人に「ヘルパーさんは家事援助を目的に支援しているので、看護師と違って目の前でリストカットをすれば、止血手技は分からないので止めますよね?」と促し役割を伝える

・よくない対応は、ヘルパーを非難すること、あるいはヘルパーさんに加担してが「入院になるよ」と追い討ちをかけること、「頓服を飲んで休みましょう」などのはぐらかす応対です。

 

 

 

 


◯やめられない行動への効果的な対応技

・長年やってきたものをやめさせるのではなく、「気づいたらそれをしない時間が増えていた」という方向性でいくのが理想

 


⑤問題行動ではなく対処行動として提案してみる。

・辛いならリストカットを対処行動として位置づけやらせてみる。そして後にその効果を聞いてみる3つの質問。

・「それをしてどのような感情になったか?」「楽になったのであれば、その楽になった感覚が持続した時間どのくらいか?」「同じような効果が得られそうな行動は他にないか?」)

・やってしまわないように注意すること。「飲酒をしても楽になるのは一瞬だだたんじゃないですか?」と支援者が先に言わないこと。言葉をそのまま受け取って本人の置換スキルがないと判断せず本人のリソースの中で見つけていく。外部から提示された置換スキルは最初は受け入れられても自分のではないなで長続きしない)

 


⑥「感じるしかない感情もある」と伝え、感情を消そうとはしないで感情と付き合いつつ、一日一日を乗り切るための行動を決めていく。

上記を伝えてもリストカットや飲酒を毎日続けてしまうのが普通です、ここで気づいて欲しいのは「飲酒をしながらも一日一日なんとか生活している」点です。この乗り切っている経験を支援者と確認し合います。そのうち「時間をやり過ごす」行動に移る時もあるでしょう

 


⑦飲酒をしていない時の行動・感覚を言葉にする

・新しい対処法ではなく本人の生活から引き出す

・「飲酒をしていない時間は何をしているのか」「その時はどのような感覚が生じるのか」を確認しあう

・すると日常の何気ない行動とその感覚を言語化することで、じつは「自分を力付けてくれる感覚」「ホッとさせてくれる感覚」「活き活きとさせる感覚」といった自分らしさの感覚に繋がる行動なのだと自覚できます。

・これらのよい行動を認識し、増やしていくことで、彼らの「実生活から生まれた飲酒行動の置換方法」として機能します

 

 

 

 


ケース2

①飲みたい気持ちを隠さず言える関係を保つ(説教や否定をしない)

②問題行動のメリットとデメリットを検討し、天秤にかけどちらが大きかを確認し合う。そして引き金と対処法も決めることが出来ればよい。

 

 

 

 


ケース3

 


・「電話を代わってほしい」と言われたら「もし、言葉に詰まるようでしたら代わりますよ」とできるだけ自助能力を育むようにする

 


・客観的に状態が改善していても本人が調子が悪いという場合、あるいはどう見ても調子が悪そうなのに本人が調子が良いという場合

「調子を測るキーワードを共有し、調子を見える化」します。10段階のスケーリングで自分で点数化してもらう。そして調子のいいと思われる点数(例えば7)とそれ以外の点数では何が違うのか考えてみる

 


・「頭では分かっていても行動に移せない」視点をもつ。(説教じみたことを言っても逆効果

 


・本人が工夫してる点、努力してる部分を見える化し共有する。

 


・約束の破棄、だめな行為の実行を目の当たりにしても、「それはしないって言ったじゃないか」と言っても相手に響かない。本人が本当はどうしたいか?どうなりたいか?を再度確認し、そのための前提やメリットデメリットを確認する

 

 

 

ケース4

・興味あること、好奇心のあることを訊ねる

・いい感じの自分を思いだしてもらう

 


ケース5

・「なりたい自分の姿」をきく。何に問題と感じているか、その問題がクリアされた時になりたい姿、「本人の言葉」で言えるように支援します。

 


・なりたい未来像を聞いたら、こちらはついこれできますよ、Aをやれますよ、と言いたくなるがぐっとこらえる。

 


・「訪問看護では、生活面に現れる前兆やサインを捉え、対処行動を身につけるサポートを行います」「それにより病いに振り回されずに、自分の好きな活動にエネルギーが向けられるようになる可能性があります」という

 


・「どうにかしなければ」という支援者の強い思いによって、本人を脅さないこと。「どうにかしなければ」と思ったら「なるようになる」と考えてみる

・調子の良さをどんなポイントで測っているのか?

 

 

 

・問題や病気を軽減する方向ではなく(ついその路線を私たちはしてしまうが)、その病気を抱えたまま生活を組み立てる方向を目指す。

例えば「飢餓感という恐怖を抱えたまま、どのようにして生活を組み立ててゆくのかという「行動」に注目」します。

このほうが相手も取り組みやすいし、抵抗も少ないです。

 


・その症状は「常にその状態なのか?」「強く現れる時はどんな時なのか?」を聞く

 

 

 

・本人が「自助できている部分」(=一人で入浴など)に、サポートするのは不必要な行為。例え本人が強く要求しても断らなければならない。

 


・「症状と付き合いながら生活を組み立ててゆく支援をすること」など、支援の目的をしっかり決めて、できること・できないことを明確にする。

 

 

 

・症状そのものに焦点を当てるのではなく、症状が現れた時の「生活への支障」に注目する。

そしてその「生活への支障」に対して何を一緒にしてゆくのか?を二人で一緒に計画していくのです。

 

 

 

・道理の通らないわけのわからない要求は、本人の強い自己愛から来ている場合が多く、特別扱いされて当然と考えてることがあります。

こんな時は要求を呑めなくても「あなたのことを重要な人物だと思ってますよ」という雰囲気を作ることが、そのムリな要求を断る一つの方法です。

 

 

 

・自己愛的で威圧的な人には、「特別扱いをも求めなくてもありのままの自分でいいんだ」と言う経験を増やす

 


雑談を通じて、穏やかなエピソードを聞いた時に、威圧的な人に「Hさんは本来は穏やかな人なんですね」といい、YESセットをする。

そして威圧的な状態になったときに、「感情のエスカレーターしてきた時に、本来の穏やかなHさんに戻るために何か出来そうですか?」「その時はいつもだうしてるんですか?」(既存の対処行動の確認)として、対処行動にやくだちそうなものを探索してゆく。見つからないことが多いので見つかったらラッキーくらいの気持ちでいる。

もしあったら、「電話を切るという行動を対処として使いませんか?」と提案

 


・ワンアップが体癖となってる人には、追求や指摘、論破はせず、「本来のHさん」というキーワードを共有していき、激しい感情と付き合えてることを確認してもらう

 

 

 

 


「嫌だと感じたらすぐに関係を切る」ことを誤学習させない。

このために電話で支援の終了を言われても、次の予約に「必ず本人と会って対話」することが必要です。

もし電話でこれを了解してしまえば、嫌な気持ちになったらすぐ関係終わらせていいんだと利用者ば学習し、その後もやってしまうでしょう。

 


・その時「あなたはどう行動したのか?」と聞く。

「笑うところじゃないのにあの看護師さんが私のこと笑った」

 


「その時、あなたはどう行動したんですか?」

「その気持ちをら言ってはいけないと言いませんでした。怒られるかとも思った」

 

 

 

・「私に伝えたように◯◯さんにも伝えたらどう?」

「伝えられません」

「私には伝えられましたよ」

「今はできません」

こうゆうとき「今ここで行われている事実を共有する」

 


訪問看護をやめたいという思いがありながら、勇気を出して私に会って、思いや考えを言葉にした」これを互いに確認します。

 

 

 

・「自分の生活を整えるために、会いたくない人にも連絡をしているんですね」(したくないことをしているがそれへの工夫を確認している)

「そうなんです」

「具体的にどんなやり取りをしてるんですか?」

→これを工夫・対処行動として確認し、嫌な人と付き合うための工夫としてリスト化する

 

 

 

・人は無意識に行ってることは工夫だと認識できません。なので「言葉で確認」することが大切です。

すると「自分は嫌な人でも断絶するのではなく、工夫して付き合っていけている」という感覚が、自覚が、積み重ねられてきます。

 

 

 

102ページまで読了。

 


・相手のかだいに踏み込むと、対人関係のしんどさが強くなることを覚える。ただ意識しても結果はすぐに出ないこと、課題の分離を意識することは対人関係のしんどさから抜け出すためのスタートラインだと考えるとよい

 


・人を困らせる行動は、本人なりの対処努力の結果。視野が狭い、手数が少ないならそれを増やしたり方向を変えたりする。

 


・いい感じの自分のサイン、調子の悪い時の自分のサインを書いて→対処努力を 考える。実際そのプランをやってみて報告してもらう。できない場合が多いので、さらに調子の悪い自分のサインの2歩前に気づいてみたり、改善してゆく

 


・迷ったときは「その支援が、本人の自助能力を伸ばすためのものか、本人の自主性へと向か歌めに組み立てられたものかどうか」で考える。

 


・解決すべき課題を共有し、ひとつひとつ乗り越えていく話し合いのプロセスを踏む

 


・状態悪化の段階に応じて「やること」を決めておく

 


・「気がついたらこうなってた。覚えてない」と言われたら、「もし次に状態が悪化した時は、悪化するプロセスを共有したいので、あんなことやこんなことがあった、ということを観察してください。それを覚えておくことにより、状態が悪くなり切る前のサインを見つける手がかりになります」と伝える

 


・「症状として認識してること」と「生活での困りごと」を別々に聞く

 


・「生活の中で、普段はやれるけれど、調子が悪くなるとやれなくなることってありますか?」

 


・生活への支障は一気にくるのか、それとも段階的にくるのか?を確認する

 


・「普段自分では気づけないことでも、このように一緒に考えることで、生活面に現れるサインに気づくことが出来ましたよね。このサインが現れたらどのように対処したら効果があるのかを、一緒に見つけていきましょう」と説明する

 


・対処努力が不適切なものだと感じても、まずはその行為が「本当にその人の希望/なりたい自分に繋がったものであり機能しているのか」を確認する。

それが不本意なものだと本人も感じてるなら「人を攻撃してるときは、あなたの選択する力や、希望の感覚が弱まってる時なのかもしれませんね」と共有する

 

 

 

 

 

 

・良い感じの自分を発見するた目の質問項目

 


食事

清潔

日中の活動と休息

睡眠

人との関係

内服や治療に対する思い

 

 

 

・看護計画のフォーマット

①「利用者がどんな思いを持ちながら生活してるのか」を共有し紙に書く。状況が悪化したとき本人の思いに立ち戻ってかんがえることができる

②「家族や支援者がどのような思いでいるのか?」を利用者自ら考え共有します。サポートしてくれる人達のことも考えながら、生活を組み立てる工夫を見つけられるようにします

③本人の目標を考えます。どうなりたいのか。

④共有してる問題点。支援者ではなく本人が感じてる問題点を確認します。

⑤現在の生活状況と観察項目。はじめは行ってるセルフケアを確認し、訪問を重ねるごとにセルフケアの推移と精神状態の関連を、本人と一緒に確認していきます。

⑥本人の現状認識。症状などの認識。利用者側の言葉で確認

⑦生活にでてくる調子の悪い時のサインを見つける

⑧サインが出てきた時の解決策を一緒に考える

 


──

 


本人の内的認識を確認する「◯◯をしてしまう時の状況はどんな感じですか?」

対処努力を確認する。その対処は対処として機能していたかも聞く

「そんな時に、これまではどのような生活をしていましたか?」

「入院は対処になりましたか?」

 


・「利用者が感じている苦しみの構造」を明らかにし、解決に向けた方法/取り組むことを一緒に確認する。

 


調子をよくするための普段から行うことは、解決策のひとつ(予防策)