『コンサルタントの秘密』を読んだメモ

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コンサルタントとは、『彼らの要請に基づいて、人々に影響を与える術』です

・手助けが必要なのは、要請を受け入れた「あと」です

・非合理性に対して合理的になること

 

コンサルタントの三つの法則

①依頼主がどう言おうとも、問題は必ずある

②一見どう見えようとも、それは常に人の問題である

③料金は時間に対して支払われるのであって、解答に対してではない。

 

・10%の約束、10%以上の改良を約束してはならない

(まず相手は有能だと認め、その上で改良を要する部分はないか?と尋ねる心構えが大事)

そして10%を超えた改良をしてしまったら、気付かれないようにするため、その手柄を全て相手にあげる。

 

・相手の問題を「技術的問題」とラベリングする。

これにより相手自身に問題があってかつ解決できないでいることを意識させないし、無能だと感じさせない。

・誰の手柄か気にしていたら、何も達成できない。手柄にこだわらなくていい(手柄の法則)

 

・去りゆくガンマンの法則

(一つ仕事が終わったら夕陽の中をタッタタッと馬に乗って去りゆく、そしてそこに残された者が「あの人は一体何だったのだろう?」と首を傾げるファンタジーを思い浮かべることで、手柄の問題を処理する。あるいはクライアントが感謝を示さない時は、こちらの仕事のあまりの素晴らしさに口を利けなくなっていることにしようということでもある。)

 

・自分に要請されてない相手の問題を解いてやるな

コンサルタントは、直接的な満足感を得にくいので、質ではなく量で取り返す発想。

・大抵の場合、人はどれほど頑張ろうとも同じことを繰り返しているし意味のあることは起きていない。

・第一番の問題を取り除くと、第二番の問題が昇進する。

(時には問題を無視するのである)

 

・最高度困難法則「自分の手助けをすることは、他人の手助けをすることより難しい」

・合理的であるな、妥当であれ

・最適化とトレードオフの関係を考慮する

・ある方向に動けば、別の方向でコストが発生する

・現時点の確実性vs未来の不確実性 

「今といずれ」の対立はトレードオフ

 

・よく適応するほど、適応力を失う

・コンサルは3番目に与えられた問題に対して最も有能なことが多い

 

・オレンジジューステスト

「それは出来ますよ、で、それにはこれだけの費用がかかります」

と告げることで無駄な時間を浪費しなくて済む。

(=私は相手に何をして欲しいかを告げ、相手はその費用を告げる、そしてその値が妥当なら採用する)

 

マービンの三番目の法則

・「どんな処方にも、薬それ自体と、それが正しく使われる事を保証する方法の2つがある」

 

 

マービンの四番目の法則

「彼らがしてきた方法で問題が解決しなかったのなら、違う事を勧めなさい」

 

マービンの五番目の法則

「料金を十分受け取って、彼らがあなたの言ったことを確実に実行するよう仕向けなさい」

 

・なおせなかったら、機能にしてしまえ

(欠点を能力にしてしまえ的な発想)

 

白パンの法則

物事がそうなっているのは、そうなったからだ。同じレシピを使えば同じものが出来上がる

 

・組織の歴史を調べることは有用。誤りを回避し、見逃されてきたものを見つけ、システム自体を学べるのだから。

 

・問題解明にあたり、他者に聞く時は「現状から良い点を見つけて、そこに言及する」ことで相手は自らネガティブな事を話してくれるようになる。

 

・利用法

「相手の原理原則を教えてもらい、それを相手の問題に適用する」

 

・レッテルの法則

「対象について無知であればあるほど、一際目立つものしか目に入らなくなる」

また用いたそのレッテルの言葉により、現実に大きな影響を及ぼすので注意せよ

 

・注意の法則

誰かに注意を向けてる時、逆に「注意を向けてないもの」が存在していることを覚えておくべし

 

・信念体系の法則

多くの場合、相手の信念体系により問題が起こっている。ゆえに最初の五分間の会話に信念体系が明かされており、問題解決のヒントとなる

 

 

・コンサルの最初のお仕事は、「助力への要請を相手から取り付けること」である

 

・そこに無いものを見る力を養う。(有るものではなく無いもの)

 

・相手の鳴き声や、感情の雰囲気を「音楽」として捉え、言葉の内容と音楽が一致しているかいないかの感覚を持つことはとーって大切である。もし言葉と心の音楽が不一致ならば、そこには何か欠けたものや見落としているものがある。

→もし不一致しているならば、その不一致さに言及するだけで相手は話してくれるだろう。解釈よりも言及というニュアンスが本書は強い

 

・自分のベルシステムを作る

やってはいけない事をやりそうになった時、やった方がよいことを忘れそうになった時、遅くも早くもない必要なタイミングで思い出させる仕組みを考える。

(簡単な例→タバコを吸う時は時刻を書く、会計時に慰める言葉を印刷された名刺を目につくようにする等)

 

・相手のことを理解していれば、そんなベルシステムを挿入するのは簡単です。

 

・コンサルは揺り屋である。システムを揺さぶり問題を解決する。

 

・「彼は外部から来た人で、誰でも、関心のある事を話しに行っていいですよ」と紹介してもらう。コンサルタントと紹介されるより揺り屋の本質はこちら

 

・揺さぶりは、少ないほど効く。

逆にごくわずか以上の変化や揺さぶりは不要

 

・「各人が全体の一部だけを見ていて、その一部を全体だと同一視している」

なので彼らに他の見方も可能だと納得させること、これがコンサルの最大の仕事です。

 

・大きなシステムを、長期に渡る継続的な接触を通して変えようとする、小さなシステムは自らが変えられてしまう可能性の方が高い。

→故に長期的に深く関わらない。

 

ワインバーグのテスト

・「ご自分のシステムの有効性をどのように測定しますか?」

・「あなたはそのシステムに、ご自分の2000円、危険に晒す気がありますか?」

(空疎な理論に対して相手の何か個人的なものをさらしてもらい、そのシステムに命を預けられるか?を測る)

 

・新しいものと付き合わなければならない時は、2つではなく1つにしよう。

(新しいものは例外なく問題が起こるので)

 

30秒で考える

・このシステムを使う為の、より良い方法をご破産にするものは一体何だろうか?→書き出す

 

 

新しいシステムをテストする

・似たような状況で練習をしてみる

・新しい部分を要素要素に分解し、その一つ一つを採用してゆく

・試運転に他人を巻き込む

 

システムの防衛手段

・失敗を受け入れる

・完璧ではなく改良をする

・そのシステムが上手く行かない状況を考える

・バックアップを発明する

 

抵抗

・依頼主が変化に抵抗してもがく時、その「もがき」を観察することで本人が何に最も価値を置いているか把握できる。

あるいはその時こう聞けばいい「これのどの部分が、あなたにとって直面したくない事なんですか?」

 

・抵抗に出会ったら、

①その抵抗を明るみに出し 

②その抵抗に中立的な名前をつけあくまでも主観的な言い方で相手に伝える

③メリット・デメリットの両方を書き出すリストを一緒に作る

④相手の抵抗が強すぎて無理な時には降参する。

「この問題は私には大きすぎるようです。そちらで解決出来ればいいなと思いますけれども、私の方ではこれ以上のお手伝いは出来そうにありません」

→頑張りすぎないで早めに降参しよう。すると面白いほどに相手の抵抗は消滅する。【誰も押してないのに抵抗するのは難しい)

 

・自分の望みよりも、相手が望むものに関心を寄せないと抵抗に対処できない

 

・相手に責任を負わせる練習をさせる

・危機を一層悪化させるのは、現状維持のために注ぎ込むエネルギーである

・変化を拒むために作り出される幻想は、変化を起こりやすくさせ、変化をますます受け入れにくくさせる。

→これの対処法は、依頼主に出来るだけ早い時期から、現実に直面するよう勧めることです。

 

・「私は何も思い付きません、何も分かりません」

これらの言明は自らの抵抗の源泉を知られたくない、もし知られてしまえばそれを克服する方法を見つけられてしまうという恐れから口をつく。

 

意識下の抵抗を掻い潜る方法

・「私はあなたがこの計画のどこを変更したら良いか全く思いつかない事は分かっていますが、もしあなたがそれを思い付いたとしたのなら、それはどこでしょうか?」

・もう一つは、「この計画の中で最も気に入っている所はどこですか?」と尋ね答えを得たら、「では次に、気に入っている点はどこですか?」と繰り返していくとやがて気に入らない側面が明るみにではじめる。

 

抵抗の予防策

・「この計画を実施する場合、あなたが絶対に変わって欲しくない、と考える部分を一つ挙げるとしたらそれは何処ですか?」

(→この後に計画の変化を促す提案をするとOK、逆にこの問いの前に提案すると強い抵抗に出会う)

 

・抵抗の多くは未来への不確定性から来ている、と考える著者。

よって「変化をもたらす為の期間」を伸ばしたり、リスクに対して何らかの「保証」をすることで対処できる。

このリスクへの保証とは「もしあなたの恐れが現実化したら、償いとしてAを致します」ということです。

 

・相手の抵抗に抵抗しても良い事はない。

・私たちの目的は、依頼者が問題を解くのを助けることです

 

・人々はコンサルに対し「自分達を傷つける心配がないと感じる人」を雇います。何故ならば彼らにとってコンサルを雇う事は自らに力はなく、弱点があると感じるのが常だからです。信頼できる人を選びます

 

 

信頼の法則

・信頼とは、その人の人間性/能力に寄りかかれること。二つのうち一つでも寄りかからない場合は、信頼されない。

・信頼を得るには、あらゆる策略を放棄しなければならない

・不正直なことは決してしてはいけない(例え依頼主が頼んだとしても)

・相手に提供できると確信できるもののみ約束する。そうでない場合は約束しないこと

・約束は必ず守ること

 

 

・あらゆる問いへの答えを与えたくなると、依頼主は「自らの問題を解く気持ちを窒息させてしまう」。なので依頼主自身の「卵」=アイディアを入れる余地を与えよう。

 

・自分自身のNOの気持ちを感覚したら、どんな依頼主にでもNOと言えるようになろう

・一人の依頼主の仕事が、仕事全体の4分の1を超えないようにしよう

・最良のアイディアは彼らにあげてしまおう