『家族内パラドックス』を読んだメモ
評価:★★★★★(最高であった)
・相手が解決するためにしてきた努力をききだす
・偽解決の構図を描き出したら、そのどこでもいいので断ち切る、変更してみる
・ワンダウン販売
対称的関係で問題がうまく解決できないなら、自分が下の立場、相補関係になってみる。販売とはセラピストが相手にこのやり方を納得してもらうための言い方
・面接手順
一、問題の聞き取り、家族の使う言語・雰囲気を使う(フォーククロア)
二 偽解決と例外の発見
三 達成されるべき治療目標の、具体的定義
四 介入
1〜3を行ったり来たりしながら、最後に4の介入課題をだす。そのさい、靴や家族の雰囲気、真剣に問題を取り組む態度なと誉めた上で提案するとより受け入れてもらいやすい(イエスセット)
→二回目は「どのように」遂行したかを尋ねる。自己流に遂行していないか?それとも課題は適当か否かを判断する
・原因は何だと思いますか?(真の原因を知るのではなく、原因帰属のパターンを知り偽解決の手がかりとする。相手がどのような現実認識を有しているか知るための問い
・いつどんなとき症状は軽くなりますか?
・システム論は、最小ステップを一つ行い果たせば、あとはシステム全体に影響し、後は勝手に彼らは変化するだろうという考え方
・心理療法は可能を軽くすることである。高尚な目標は対象としない
・システムの自動維持を切断するだけでよい。正しい在り方や家族像に向かわせるのは本人たちでやってもらい、短期療法では問題を解くだけ
,介入を成功させるコツは、「元々ほ問題は大したことなく、その対処の仕方が悪く周りがコトを大きくしているだけだ」と考えるのだ
・介入を遂行してもらうことが重要であり、そのためにリフレーミングが役立つ
・択一法(過重課題の一般化)
「Aをしてください」
「できません」
「じゃあ、家に帰ったらすぐ何でもいいですから一度練習してみてからにしてください。そうですね、冷蔵庫か漬物石がいいですね。最低十回は、それを抱いてキスをしてから今度はそれをお子さんにしてみてください。もしくは直接、お子さんにしてみるか、どちらでもいいです」
この方法は指示の抵抗処理として著しく効果がある。指示に従わないものに対し、それとは全く無関係で過大な課題を出し、そしてこれを最初の指示とは何らかの関係で「こじつけて」択一を迫る、のである。大抵最初の課題を選ぶ。
そして上の課題を「これは治療ではなく今後の情報収集を目的としますです。反応をみたいだけなのです」とフレイムする。
・ジャミング(ゲームつぶし)、証拠打診 非難ごっこを事実のあてっこに置き換える、
「妻の行動は不自然で本物ではない」
「どうすれば確認できますか?」と訊き、考えられるだけ確認方法を挙げてもらう
次に「他人の望みを、人がするのだから100のうち10出来れば本物と思えますか?」と確認する
確認できたら
「お宅で努力されるとき、一つだけ心を込めずに行ってください。ご主人はそれを当ててください。奥さんは正解の場合は心を込めてほめてください、不正確でもほめてください。その時はぜひ見破られないように。」と提示する、
・未来予想のテクニック
毎月お願いしにきます
・抵抗のパターンと性格は関連する、という見方
・抵抗の出現を待ってました!と言わんばかりに利用する
①パラドックスからロジカルな対応へ、そしてパラドックスに戻す
②リフレーミング(どんな悪い出来事も見方を変えて褒める
③物語を聞かせる (似たような事例、想像内での再現
④バランス理論、どんなコミュニティも三角関係で説明できる。二者間の問題がマイナスであれはわ、第三者を入れることでシステムに変化をもたらし+にする。
⑤課題のリハーサル 今ここで課題を練習すると、その後もしてくれやすい
⑥未来の抵抗予想 抵抗さるのに予想できれば、それをあらかじめ言っておく。「前回と同じく今回も課題をやられないことが予想されます。とくに…問題はそのときです…どうされるかは…」というふうに。
・課題が家族システムに適合しないとき、治療抵抗として現れる
・第一次変化が上手く行かないとき、量が足りないと考える傾向にあり、よりその行為を増やしたり強くするも、無駄なことの繰り返しになってしまうケースが多い
・自らをワンダウンポジションに置く
相手よりほんの少し下のポジションを維持しながら、家族の言語雰囲気を使っていくとよい
・数量化しパラドックスに入れる
面接に落ちました
→何回落ちたの? 2回。なるほど。ある流行作家は52回落ちたそうだよ。あと20回は落ちるつもりで受けてみるとよいよ。そうだな来週までに5回落ちてきなさい」
・リフレーミングのコツ
①帰属はがし 原因や理由の言い換え
②数量化
③二元化 二つに分割させて一方に責任を負わせる(君が悪いんじゃない、身体が悪いんだ)
⑤発達段階によるリフレーミング(そういう時期、時間、年齢と見立てる
・リフレーミングには
プラス、マイナス、ニュートラルの三つがある。適宜使い分けその事象の意味を書き換える
・人は決して事実そのものに従って行動しない。所属システム内のメンバーごお互いに事実に対して付与し合う「意味」に従って行動するのである!」ゆえに相手のリアリティを変えるとはこの意味をリフレーミングで変えることである。
・家族にとって二番目の問題は何ですか?と尋ねることで、主訴を支える悪循環を発見できる。これを解決してから主訴につなげる事も多い。長引いている問題には有効な手がかりを教えてくれることが多い
・三世代のような複雑なシステムでも、来談している最も不満の大きい人の行動を変えることで、全体の悪循環を切断する
MRI のフィッシュ博士は「システムはそんなに変え難いものじゃない。もっともっと変化させやすいものだ」と語る。小さなところで切断可能である。
・スプリット技法
ある2人が対立を派手に行い、相手に見せる。その対立劇は、その相手に存在する二項対立を外在化したものであること。
・療法に失敗したときはワンダウンを徹底する。
「ベストを尽くしましたが、本質的な変化は得られませんでした」と誠実な対応を取る。内容や技法。へり下るのではなく、伝え方をワンダウンにする。