『二月の男』を読む、そのメモ[1]
・患者が仕事をする、セラピストは環境を整える。
・患者の見方をより包括的で、より広いものにする。
それは現在のフレームを広げ続けること、と言ってよい
・意識を広げるようにし、新しいアイデアを作ろうとさせる。
・混乱技法は、トランスの受け入れ準備であり、内面の創造的な探索を開始させる。(=無意識のプロセスの始まり)
●混乱技法
──
今まで使い慣れた行動、思考パターンでは対処できない状況に置く。
この状況を打開するには何か新しいことをやるしかない。新しいやり方を模索するために無意識的な体験記憶にアクセスし、無意識的な思考を引き出す。この状況が「混乱」である。
人間が今まで自分が持っていたのとは全く違う新たな枠組みの事柄を学ぶには、混乱が必要となる。
質問に対して人は答える。 そこで、瞬時に淀みなく答えるならば、既に十分使い慣れた思考や感情を機械的に再生している。 一方、自分の中に潜り込むように沈黙し、心の中で答えを探し、絞り出すように言葉を発するならば、創造的なプロセスが無意識のレベルで起きている。
──https://twitter.com/mentane/status/1455685162323173378
・混乱技法により、学習の限界を取り払う。そして新しいことを受け入れる体制を築く。
私ならば「世界の限界」と呼びたい。世界の限界が足枷となっている。
これは患者内部の力を喚起させることで、限界と意識的な世界の見方を取り払う。
・『あなたに、この質問には答えたくないと、思って欲しいのです』
『あの花には、好きになれない何かがありますね?』
※花は、一般的には好意の対象だからこそこの質問がいきる。
・『そして、しますよね?』という言い方は、(And you will,will you not)
NOと言いたくてもそれを言わせたくない時に使えるフレーズ。
『そして、しますよね? 深く ぐっすりと眠り続けてください』
・習慣化されてない異なる方法を体験させるため、文字を上下逆さまに書かせて実体験させる。
『新しい方法で考えることのメタファー』でもある。
・ノーと答えあと、『ノーと言いましたか?』と訊きYESと答えさせる。
ネガティブからポジティブの変換でありYESセット。
・『目覚めていた時、催眠にかかっていないと思いましたか?』
(混乱技法と前提の組み合わせという感じがする。トランスに掛かっていた前提があるので入りやすくなる)
・無意識は、「問題の解決の場所」である。そしてそこにセラピストは介入できる。
そしてセラピストのアイデアを押し付けるのではなく、患者個人の「学習プロセスを引き出すこと」を目的にする。
・ある知識を、身体や手足に転換させること。
これは分割の技法のように見える
・成長には躓くことが必要──という暗示、または世界観──と患者に介入するエリクソン。
(それは振り返ってみないと分からないことでもある。振り返ってこそわかる景色)
・「やってみなければ分からないことがあると、思いませんか?」
・感情と認知が固定化してしまうと、精神は健康的とはいえない。
変化あることが健康的。
ゆえにこの二つを変化させることを促す。
・『経験することの重要性と価値」を、「躓くこと」と連結させる。
・「次に会う時、泳ぎが好きになってもらえるように、
もう少し、泳ぎについて話そうと思います」
・リフレーミングとは、世界の認識を変える方、相手の信念を変更することである。
おそらく、その世界のまなざしを術者が「本気で信じている」ことだろう。
信じてない言葉に、力は宿らない──という私の信念。
・前提暗示+内部探索
「ヘレンを水の中へ押した時のことも、
ヘレンと良い体験をしたと思いますか?」
・『彼ら自身の言葉』で、物事は成長します。そのもとで。
ゆえに彼ら自身の言葉で会話し、リフレーミングし、世界観に介入するのです。
・笑わせた後に(ジョーク)、「『次は』何を話しますか?」と繋げる
(これは相手の心をリフレッシュさせる効果と連想を狙っている?)
・トランスで行うことは、「人生に対する基本的な態度」を作っている。
・話にでてくるおじさんらは子供がいなくとも幸せであるとリフレーミングする。
物事を「有している・達成したか」は幸いとは関係ない。
良い記憶──が幸いと関連するという暗示。
・「泳ぎを覚えたいと思いますか?」
・「そしていつの日か、あなたは、どれ程に怖がっていたのかと、笑えるようになりますよ。
そうなったら素晴らしいですよね?」
(私的に文を変形させた)
・「来年会いますか? それとも一年空けますか?」←ダブルバインド
・成長のメタファー
「歳を重ねると背が高くなる」
・リフレーミングの本質とは、「、
「情動プロセスの再確認」であり、
「オリジナルの経験は変更せず、見方を変えている」ことです。
そして変えた見方が知覚の記憶として保存されます。
・「成長するって、素晴らしいですよね?」
・エリクソンは、内部プロセスの学習、と発見、を行なっている
「その前に、たくさん親指を吸っておいた方がいいですよ」
・人が「どのように成長するか」、これに気づくことがTHにおいて大切
・YESセットならぬ、ベストセット
読んでいい?→いいよ
本当に読んでいいの?→いいよ
本当に良いと思うまでちょっと考えてください。
(無理やりにさせないためにしつこく聞いたり許可をもらおうとする)
・「間違いが少ない方法で、一歩一歩あるく」ことを伝える
・「将来、いつかあなたと出会って質問に答えるときが来ます。
そしてあなたはどんな躊躇いも、心配も、懸念もなく私に尋ねます」
・マインド、概念、やり方は──使い古される。
身の丈にあわなくなり、物事の解決に適さなくなったときそれは「限界」を迎えたサイン
・相手と同じ問題の物語を示し、C Lの内部から答えを求める
→彼は泳げません、どうしたらよいと思いますか?
→どんな援助が必要でしょうか? どうやって彼を援助したら良いしょうか?
・スラングとは、時代時代の意識のサインです。
またそれを使う者のこころの手がかりにもなります。
・私たちは多くの経験をする必要があるから、落ち込むことだってあるし、失敗することもある。
そしてそれでも、前へと進んでゆく。
ことを伝えます。
つづく